2014年4月11日金曜日

一時休音

15年程の音楽業界での生活を思い返せば、実力主義の厳しい世界で、雇用契約書を交わすなんてことはほとんどなく、単なる口約束で仕事をいただき、信用度は音楽的表現能力の高さのみ、明日の保証など全くない特異な世界である。そんな中で生きていくには実力は勿論だがなんといっても人間関係が大事であり、特に横の人間関係の良しあしで仕事の広がり具合に違いが生じていく。その関係も音楽ジャンルや活動の場によって違いがあり、クロスすることはめったにない。歌謡界、演歌、J-POP、アイドル、Jazz等それぞれのジャンル毎に閉鎖的な人脈図が広がっている。そんな中で必死に自分のステージ(収入)を上げていくことに奔走し、本来の動機がだんだんと薄れていくことに気づくことなく歳を重ねていった。ふと立ち止まってみればJazzの世界と大きく乖離した生活。音楽への情熱は変わらずとも、やはり看板タレントの人気の凋落とともにリストラの波はここにも押し寄せる。首になる前に自ら辞めて音楽的自立を試みるも、膨らんだ生活レベルを維持するには転職の道を選択せざるを得ず、郷里の実家の仕事を手伝うことに。15年に及ぶ憧れの音楽業界に別れを告げる。

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