2009年11月7日土曜日

朝、昼、夕、夜中、ピアノ漬けの日々

一応ブラスバンド部に所属していたので、音楽室は自由に使えた。アップライトピアノが一台置かれているだけの部屋。ビートルズとボサノバのサウンド発見の旅が始まろうとしていた。が、すぐに最初のハードルが立ちはだかった。コード分析のための唯一の楽器であるピアノ。鍵がかかっていて弾くことができないのだ。学校に頼んで鍵を借りてくればいいだけの話なのだが、何故かひねくれものの性で何とか自分で解決しようとしたらしい。人間必死になるとなんとかなるもんだ!なんてよく年寄りが言ったりするけど、この時はまさにズバリその言葉通りになったのだ。何を思ったか譜面台をじっとにらめつけていた私は、譜面落ちを防止するL字型の留め金を外すや否や、長いほうの先をピアノの鍵穴のサイズに合せて曲げたのだ。その時間は一分もかからない早業で、自分でも何事が起こったのか咄嗟にわからないといってもいいぐらい相当思いつめていたように思う。(若干誇張されてますけど)
なんとカチッという心地よい音とともに見事ピアノの蓋が開いたのだ。その時の感激は今だに忘れられない。(これって罪になります?時効ということでご容赦を)
それからというもの、私の人生に朝、昼、夕、夜中、という概念はなくなった。まさに音楽という言葉に取ってかわった音楽漬けの人生が始まったのだ。

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