2014年4月28日月曜日

誤算

一代で築いた会社の社長、所謂オーナー社長のほとんどが陥るといっていいのが唯我独尊。自分に批判的な意見や忠告を述べる社員には耳を貸さずに遠ざける。自然な感情の流れとはいえ、うまく回っている時はいいが、一歩間違えると大変な目に会う事になる。H氏も例にもれずベンチャー事業への投資に疑問を抱く幹部の意見には耳を貸さず、ひたすら不良債権解消を夢見てベンチャー投資にのめりこんでいった。しかし、製品不良によりベンチャー事業が暗礁に乗り上げ、この投資の穴埋めが原因で本業の資金繰りが困難を極めるようになり、日増しに経営を圧迫していった。地方銀行H銀行に資金融資の交渉や、H氏の後輩が経営する福岡の大手建設会社に資金協力をお願いしたものの結果的にはうまくいかず、融資先が断たれた状況の中で高利の貸金業から資金を調達しながらなんとか経営を繋いでいた。賃貸管理業そのものは順調に伸びていたものの直ちに経営を立ち直らせるまでには至らず、それには相当の時間が必要だった。辛抱しながら少しずつ経営状態を正常に回復させていくしか道は残されていなかった。

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